Loading…
楽園への旅立ち
ウノ君がうのままの腕の中で眠るように穏やかに旅立った2日後、ウノ君とお別れをしました。
こうしてウノ君のことを想って綴っていると気持ちが落ち着きます。
今日はお別れの日のお話をしたいと思います。
12月8日火曜日、ロンドンから電車で1時間程のところにある、牧歌的な小さな村へ
向かいました。
ウノ君はいつものようにバッグに入り、うのぱぱに抱えられ、電車の中ではうのままの横の
座席に座って電車の旅の始まりです。
お昼ころの時間帯だったせいか、一車両にウノ君ファミリーしか乗車していません。
ウノ君は乗り物が大好きです。
お散歩の途中でも、バスに乗りたい気分になると、自分からバス停のほうに向かって歩いていき、
バス停の前で立ち止まり、うのままの顔を見上げます。
そんなときは、特に乗る予定や理由はなくても、一緒にバスに乗ってお出かけ気分を味わって、
帰りに近くのコーヒーショップに寄ったりしたね、ウノ君。
ウノ君はバスに乗るといつも満足そうにしていました。
電車に乗って何度もお出かけしたね、ウノ君。
小さなこどものように、窓から景色を眺めていたウノ君。
この日も、ウノ君のお顔に優しい日差しが降り注いています。
朝は曇りがちだったお天気が、ロンドンを離れ30分もすると、いつの間にか青空が広がり
眩しいほどの光で暖かく感じるお天気へと変わっていました。
一駅一駅通過するたび、ウノ君とのお別れの時間が近づいてくる。
ウノ君は眠ったままだけれど、どうかこのままお別れの場所に着かなければいいのに
と願ってしまう自分。
お別れしたらウノ君に触れられなくなってしまうという不安が押し寄せるのです。
そんな願いは叶うわけもなく、お別れの場所の駅に到着です。
駅から車で林の中を数分走り、到着した場所は、緑が溢れ、青々とした芝生が朝露で輝き、
小鳥のさえずりが響き渡る美しい場所。レンガ造りの母屋の奥に年季の入った赤レンガの煙突が
見えます。

予約の時間より早く到着したので、緑の中をお散歩します。
しばらくのんびりと散策のあとベンチに座り、ウノ君と日向ぼっこ。
いつもお散歩のときは、日向ぼっこをしたよね、ウノ君。

レンガ造りの母屋の前に行き、呼び鈴を押すと、スタッフの人が顔を出しました。
悲しい気持ちを癒してくれるような優しそうな女性です。
Covid-19の影響で、建物の中には入れないようになっていて、屋外の仮設の控室へと案内されました。
ゆっくりとウノ君をバッグの中から棺に移し、お花とおやつ、お守りとラブレターをひとつひとつ
想いを込めおさめました。
お守りは、日本の家族がウノ君が病気になってから、ウノ君のためにお守りを送ってくれていたのですが
なかなか到着せず、不思議なことに、ウノ君とのお別れの日の当日、出かける1時間前に、お守りが
届いたのです。
ウノ君が天国に行って、もし苦手な犬に会っても怖い思いをしないように、ウノ君にお守りを持たせて
あげることができたのです。
他にも奇跡的に感じることがありました。
このお別れの場も、前日に予約をしたのですが、この難しい状況下にも関わらず、希望の場所日時で
すんなりと予約が取れたことも今思えば不思議なくらい。
そして、お天気さえも、雲一つない青空に恵まれました。
本当に美しい青空で、イギリスの冬はどんよりとした曇空か、しとしとと降り注ぐ雨の日が多いのですが、
というか、ほとんどそのような日で、雲一つない晴天というのは奇跡と言って良いくらいです。
神様からウノ君への素敵なプレゼント。
きっと、ウノ君がお空に旅立つときに、もしもどんよりとした曇空や冷たい雨が
降り注ぐ日だったら、ウノ君が怖がって不安になって神様のもとへ行くのが困難になってしまう、
ウノ君が怖がらない様に、迷わずに神様のもとへ行かれるように配慮してくれたような
気がします。
こんなに綺麗なお空なら、天に昇ってもそこからうのまま達の姿が見れるし、怖くないよね。
ウノ君とのお別れのときが近づいてきました。
スタッフの方が、うのまま達を煙突のある建物まで案内します。
レンガの通路を歩き、扉をあけると、綺麗に支度されたウノ君の姿が見えました。
これが最後のお別れ。
ウノ君を感じようとそばに寄りお別れのキス。
ウノ君のお世話をしてくれる担当の方からのお祈りの言葉が聞こえてきました。
"God bless you, may your sprit go in peace and go towards the light."
そして扉が静かに閉められました。
うのまま達の愛するウノ君は神様のもと、楽園へと旅立ち、光の存在になりました。

スポンサーサイト